いま話題になっている映画見てきました!
バットマンに登場する敵、その名もジョーカー。
緑色の髪にピエロの化粧を顔に施した姿が怪しくも上品な雰囲気を醸し出しています。
今回の映画はそんなジョーカーが誕生した、きっかけの物語です。
もくじ
結論:期待を裏切らない作品。だが、見る人を選ぶかも。
予告にもある通り、ダークな展開が続きます。
結論として、予想していた以上に「感情的な映画」でした。
ただ、注意して欲しいのは、「最近、精神的に落ち着かない。」という人は、あまり前のめりに見ない方がいいかもしれません。
ちょっと、斜に構えて見るくらいが丁度いいです。
そして、できれば一人で見て欲しい。
カップルや友達連れで見る映画ともどこか違います。
僕ももちろん一人です。(友達がいないだけ)
ドリンクはジョーカーの髪色の「ジンジャーメロン」を飲みながら、視聴してきました。
ジョーカーという、狂気に満ちた殺人ピエロがどうして生まれてしまったのか
劇中にこんなセリフがあります。
「僕の人生は悲劇だ。いや違う。喜劇だ」
この言葉に物語の全容が詰まっているといっても過言ではありません。
主人公であるアーサー・フレックは、とても優しい性格で、コメディアンを目指していました。そんな彼は、幼少の頃から脳の障害によって「突然笑い出してしまう」病気です。
その病のせいで、周りからは偏見の目を持たれ、精神を落ち着かせるカウンセリングや、薬を使用しています。
貧富の差が激しいゴッサムシティという都市において、人を楽しませることが使命、生きがい、と信じていた彼でしたが、ある出来事により内に溜め込まれた、数々の悩み、葛藤、苦しみ、怒り、悲しみが、体から解放されてしまいます。
そして彼は気づきます。
「これが僕なんだ」と。
狂気に身を任せ、感情のままに、行動する、アーサー・フレック。
ジョーカーの誕生です。
ポイント1「感情の爆発、解放」
誰しも、自分の内に秘めた「狂気」を「理性」によって閉じ込めていると思いますが、ジョーカーは理性が壊れてしまっています。
全く躊躇しないし、悪びれない、むしろ喜々とした表情や姿で行動します。
優しかったアーサー・フレックの面影はもうありません。
「僕の人生は悲劇だ。いや違う。喜劇だ」
悲劇であっても、喜劇だと思えば大きく意味は変わってきます。
それと同様に、ジョーカーにとっては、世界自体が重要なのではなく、「自分の意思」こそが全てなんだと感じました。
序盤の物語が嘘であったかのように、感情を解放させて、自由に振舞うアーサー・フレック。
そんな彼の自由な姿を見て、貧富の差に辟易しながらも、感情を押し殺してひっそりと生きていた人たちも同調します。
そして、大きなデモとなり、ゴッサムシティにピエロの集団を生み出してしまいます。
感情を揺さぶられる瞬間というのは、本気の人間を見たとき。なのではないでしょうか?
ポイント2環境は人を変える
有名な言葉ですね。
環境の悪さが、最もジョーカー誕生の要因になったのではないかと推測します。
僕たちの暮らす現実でもそうですが、一見華やかな都市の裏側には、貧富の差に喘ぐ人々がいます。
アーサーもその一人でした。体の不自由な母と二人暮らしで小さなアパートの一室に住んでいます。
コメディアンとして日の目を浴びることのない日々、そんな中にも小さな喜びを感じながら、生きていたアーサーでしたが、環境の変化は彼の精神に悪影響を及ぼします。
そして追い打ちをかけるように、友に裏切られ、母に裏切られ、尊敬していた人物に裏切られていきます。
少しでもアーサーにとっての救いがあったのなら結果は違っていたのかもしれません。
環境が違えば善人も悪人に変わるし、またその逆も然りです。
誰しもが明日どうなるかは分かりません。ジョーカーになることでさえ他人事ではなく、誰しもにある可能性です。
ピエロという姿は、「人は仮面を被っているという」本質を、暗に表現しているのかもしれません。
この映画は何故危険なのか?
この映画は公開前から模倣犯を生むのではないか?と危ぶまれていました。
実際に見て、確かに過激な考えをしている人がみると、危険かもしれないと感じました。
なぜかというと、ジョーカーという人物は、現実に存在するリアルさを持っていて、とても漫画のキャラクターという枠組みには収まっていないからです。
どこか、人間臭いのだけど、人を惹きつけてしまう、そんなカリスマ性を、仕草や言葉から感じ取れますし、躊躇をしなくなった人間の怖さみたいなのが、すごく表現されています。
「自分も感情を解放して生きたい!」と思う人がでてきてもおかしくありません。
問題が起きて公開中止になんてならないようただただ祈るばかりです。
まとめ
現代社会でも貧困の差が激しい国はたくさんあります。
そんな時代背景も感じさせる、社会風刺的な一面がジョーカーにはありました。
この映画を見て、一度自分という人間に対して疑問を投げかけてみるのもいいのかもしれません。
仮面を外したその先に、どんな自分がいるのか?
やりたいことは何か?
救いはあるのか?
自分に満足しているのか?
そして、是非、映画館でご覧になってください!
では、また!
劇中に何度も出てくる階段でのダンスシーンです。
足取りも軽く、弾むように踊っている姿がとても、魅力的です。
階段でのシーンはアーサーの心の変化を表しているので、注目して見てみる事をオススメします!